胃がんリスク検査胃がんリスク検査

胃がんリスク検査

for preventing gastric cancer.

胃がんリスク検査

胃がんリスク検査( ABC分類 )についてのご案内です。

胃がんリスク検査は血液検査で行い,(1)胃粘膜の萎縮の状態と(2)ヘリコバクターピロリ菌感染の有無により,その組み合わせで胃の健康度を分類するものです。

胃がん検診とは異なります( 胃がんを見つけるための検査ではありません )。胃の健康度に応じた胃がん予防策( 内視鏡検査や除菌療法の必要性 )を考える上でたいへん有意義な検査です。

※ リスク検査の対象とならない方
すでにピロリ菌の除菌に成功している方,腹痛など自覚症状がある方,胃酸分泌抑制薬を服用中または2ヶ月以内に服用されていた方,胃切除術後の方,腎不全( 血清クレアチニン値が3mg/dL以上 )の方は正確な判断ができません。

※ 福岡市からの費用助成対象の満35歳,満40歳の方は “ 福岡市胃がんリスク検査について ” をご覧下さい。

胃がんリスク検査

(1)ペプシノゲン法(PG法)

ペプシノゲンI( PG I ),ペプシノゲンII( PG II )の値および PG I / PG II比 より,胃粘膜の炎症および萎縮の状態を評価します。

萎縮

判定は,1+ < 2+ < 3+ の順に萎縮の程度が高まり,何れも(+)です。

  • (3+):PG I 30ng/mL以下 かつ I/II比2.0以下
  • (2+):PG I 50ng/mL以下 かつ I/II比3.0以下
  • (1+):PG I 70ng/mL以下 かつ I/II比3.0以下
  • (ー):上記以外

(2)抗ヘリコバクターピロリIgG抗体(Hp抗体)

胃粘膜がピロリ菌に感染していないかどうかを調べる検査です。

ピロリ菌

判定は,

  • (+):Hp抗体:10U/mL以上
  • (ー):Hp抗体:10U/mL未満

抗体価のみで,胃がん低リスク(ピロリ菌未感染)とは断定できません。他の感染診断法,画像所見を併用して判断することが望ましいとされています。

判定結果:ABC(D)分類 ]

上記(1)(2)の検査結果の組み合わせにより胃の健康度をA〜Dに分類します。

  • 群:PG法(ー)Hp抗体(ー)
  • 群:PG法(ー)Hp抗体(+)
  • 群:PG法(+)Hp抗体(+)
  • 群:PG法(+)Hp抗体(ー)

判定結果の解釈

A < B < C < D の順に胃がんのリスクが高まります。

  • 群:概ね健康的な胃粘膜です。一部ピロリ菌の感染や感染の既往のある方が含まれます。
  • 群:少し弱った胃粘膜です。胃がんのリスクもあります。内視鏡検査を受けましょう。
  • 群:萎縮の進んだ弱った胃粘膜と考えられます。定期的な内視鏡検査をお勧めします。
  • 群:萎縮が非常に進んだ胃粘膜と考えられます。内視鏡検査など精密検査が必要です。

※ 胃がんリスク検査で B C D 群の方は,内視鏡検査で胃がんの存在診断および胃炎や萎縮の評価が必要です。将来の胃がん予防のために除菌治療を受けられることをお勧めいたします。また,除菌療法の適応を決めるためにも現在の感染状態を他の検査で再確認することが推奨されています。


過去にピロリ菌の除菌治療を受けられた方は,除菌判定の結果に関わらず,定期的に胃内視鏡検査を受けましょう。